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普段アニメ映画を観ない人にもおすすめしたい!映画「聲の形」感想

2020 5/27
劇場公開日 2016年9月17日
2016年製作/129分/G/日本
配給:松竹
目次

映画「聲の形」

私は恥ずかしい話、今まで映画っていうのは時間を消費する娯楽なのでわざわざ興味のないジャンルは観ても時間の無駄でしかないと思って、昔から好きな海外映画ばかりを好んで観てました。しかし、ニュージーランドに来てから日本映画が観たくなって少しずつ観始めました。そしたらですね、気付きました。邦画のよさに。そもそも映画って邦画洋画とかそれぞれの作品を比べるものではなくて、その個々の作品を楽しむものだって気付いたんですよね。確かになんだか自然と比べちゃいますよね。分かります。多くの人が良いっていう作品っていうのはやっぱりあるし、それを基準に優劣って付けちゃいがちなんですけど(もちろん映画賞とかあるし)、チープな映画にはチープのよさがあったり、制作者の伝えたいことがわかったら実はとんでもなく面白い作品だったとかして、映画ってどの作品も奥が深いのです。

まぁそんなわけで何が言いたいかっていうと、この作品「聲の形」は私な苦手なジャンルで、アニメ好きな人が見るアニメ好きの人のための映画だと思って正直舐めてました。すみません。この作品、誰が観ても楽しめます。私みたいな人がいたらぜひ観てほしいですね。どのレビューサイトを見ても評価が高めなので間違いないでしょう。

そんなわけで今日は映画「聲の形」についてつらつら書いていこうと思います。

あらすじ・解説

「週刊少年マガジン」に連載され、「このマンガがすごい!」や「マンガ大賞」などで高い評価を受けた大今良時の漫画「聲の形」を、「けいおん!」「たまこラブストーリー」などで知られる京都アニメーションと山田尚子監督によりアニメーション映画化。脚本を「たまこラブストーリー」や「ガールズ&パンツァー」を手がけた吉田玲子が担当した。退屈することを何よりも嫌うガキ大将の少年・石田将也は、転校生の少女・西宮硝子へ好奇心を抱き、硝子の存在のおかげで退屈な日々から解放される。しかし、硝子との間に起こったある出来事をきっかけに、将也は周囲から孤立してしまう。それから5年。心を閉ざして生き、高校生になった将也は、いまは別の学校へ通う硝子のもとを訪れる。

https://eiga.com/movie/83287/

登場人物

  • 石田 将也…小学生時代はガキ大将タイプの少年だった。耳の聞こえない硝子に、好奇心からいじめをおこなってしまう。
  • 西宮 硝子…耳に障害を持つ女の子。
  • 植野 直花…小学校時代将也のクラスの女の子。気が強く、さばさばしている。
  • 佐原 みよこ…そばかすが特徴の女の子。小学生時代は硝子が周りから距離を置かれるようになってからも硝子と仲良くしていた。
  • 川井 みき…眼鏡をかけている優等生の女の子。八方美人なところがある。
  • 永束 友宏…将也の高校のクラスメイト。モコモコ頭と小柄で小太りが特徴の少年。
  • 真柴 智…将也の高校のクラスメイト。性格は基本的に穏やかで、いつもニコニコしているが、どこか歪んだ部分を持つ。
  • 西宮 結絃…硝子の妹。
  • 石田 美也子…将也の母親。
  • 西宮 八重子…硝子の母親。

制作

  • 監督…山田尚子
  • 制作…京都アニメーション

受賞歴

  • 第40回 日本アカデミー賞 優秀アニメーション作品賞
  • 第26回 日本映画批評家大賞 アニメーション部門作品賞
  • 第20回 文化庁メディア芸術祭 アニメーション部門優秀賞

感想

映画を観る前は、”いじめっ子が逆にいじめられる”という予備知識しかなく、そんなにストーリーに深みはなさそうだなと思っていました。しかし映画を観始めて中盤から胸が震えます。いじめっ子がいじめられるというストーリーは間違いはないのですが、その先の話がむしろメイン。主人公は高校生になりますが、いじめられたことで孤立し自分には生きている価値がないとし、自殺することを決意します。しかし、死ぬ前に小学生の時にいじめていた子に会いに行ったことがきかっけで、今まで距離を置いていた友達との時間が動き出す———というストーリーで、主人公将也と硝子の苦悩と、クラスメイトの子たちが細かく丁寧に描かれています。

この作品を観た時、これって最近のSNSで言われているようなことに似てるなって思ったんですよね。「誹謗中傷をする人をたたく」っていうのは正しいことだと思ってやるけど、そこでまた”叩かれた人”って罪悪感と後悔にさいなまれて苦しむっていう構図はどこかこのストーリーに似ています。SNSと学校のいじめとではレベルが違いますけどね。

この作品はいじめたことによる後悔とやり直しの物語。この作品に出てくるクラスメイトの特徴が、実際のクラスにいるようなキャラクターばかりでとても見やすいです。気が強くて乱暴であったり八方美人で自分を守ろうとするような人とか、いたなぁ。

誰もが自分の中に嫌いな自分っていると思うんです。人間って弱い存在です。友達って何か、というのもこの作品は訴えてきます。正直観ていて苦しいです。

涙腺も崩壊。もう、一言、観てください。

コメント

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